表山田【1】
何だって駅の喫煙所はこんな端っこに追い遣られちまったんだろうと、山田一太郎は毎日思う。 毎日山田について回…
表山田【2】
内線を受けた田中和男の耳に入ってきたのは、聞き慣れた声の聞き慣れた誘いだった。 「今日飲み行かねぇ?」 「あ…
表山田【3】
彼らの行きつけの店というものは特に決まっていない。 ただ、前回はあそこだったから今日はこっち、というような…
表山田【4】
「佐藤、経理が請求書出せってよ」 通りかかった田中に声をかけられ、佐藤は舌打ちした。 「もうそんな時期か? …